介人研Quickアンケート「介護分野における最低賃金の引き上げについて」の結果を公表しました
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厚生労働省の審議会で、最低賃金を全国平均の時給で63円引き上げる目安が示されました。この目安通り引き上げがされた場合、全国平均は1,118円となり、すべての都道府県の最低賃金が1,000円を超えることになります。
介護分野においては処遇改善の一助となる一方で、公定価格である介護報酬により運営されるその性格上、様々な課題への対応が求められることになるであろうところ、本会では8月6日から20日の間、今回の最低賃金引き上げへの受け止めについて、介護事業者・関係者へアンケート調査(介人研Quickアンケート)を行いました。
結果の概要
最低賃金の引き上げにより処遇改善が進むことに期待する一方、公定価格である介護報酬により運営される介護施設・事業所では既に物価高等により経営が圧迫されており、▽十分な賃上げ財源を捻出することが困難であること、▽平均的な給与水準と最低賃金との差が縮まり、労働市場における競争力をさらに失う懸念があること、▽いわゆる「年収の壁」により人材確保がさらに難しくなる懸念があること等から、7割以上の回答者が「必ずしも好ましいとは言えない」とする結果となった。
必要と考える施策上の対応としては、▽最低賃金の引き上げに見合った(社会情勢の変化に応じた)介護報酬の引き上げが特に強く、その他にも▽業務改善助成金の対象拡大など支援策の拡充、▽いわゆる「年収の壁」の今日的なあり方を踏まえたさらなる見直し等が求められている。
本会ではこの件について、8月14日に厚生労働省(林俊宏大臣官房審議官)を訪問。当該調査の中間報告を行い、問題意識を共有するとともに、必要な対応策について求める要望書を提出いたしました。
今後も、介護従事者への処遇改善に係る強力な推進と併せ、その実効性を担保するための十分な事業者支援を求めて働きかけを続けてまいります。