少なくとも4%、安定的運営には5%程度のプラス改定が必要~令和6年度介護報酬改定に向けた見解~
介護施設・事業所においては、物価等高騰により著しい経営圧迫を受けているとともに、コスト増をサービス価格に転嫁できない公定価格である介護報酬の構造上、十分に人材確保へ投資する余力がなく、労働市場における競争力を更に喪失した結果、直近の調査(厚生労働省「雇用動向調査」)で入職超過率(入職率-離職率)がマイナスになるまでに至っています。
本会が独自に行った分析の結果によれば、これらを踏まえた上で経営を維持するためには、令和6年度介護報酬改定において、少なくとも約4%のプラス改定が必要(特別養護老人ホームの場合)であることが明らかになりました。
その上で、現に介護施設・事業所における赤字割合が拡大している状況を踏まえれば、安定的な運営を図るためには、5%程度のプラス改定が求められます。
本会では、全国介護事業者協議会・日本在宅介護協会と共同で実施した調査により、本年春(令和5年3月)時点で既に約3割の介護施設・事業所が「事業の廃止や倒産の危機に直面、又はその可能性がある」ことを明らかにしていますが、現状ではこの傾向が一層深刻化しているであろうことは間違いなく、次期介護報酬改定はまさに我が国の介護サービスをいかにして守っていくかという重要な意義を持つ機会であると確信しております。
皆さまおかれましては、こうした厳しい状況についてぜひご理解を賜りますよう、切にお願い申しあげます。